2005年03月06日

世界の中心でタマを投げる

扇形の広場、その要の位置に近く、芝にかこまれた墳丘。

ぼくはなにかを待っている。

世の中の、たいていの事実には、存在理由があるはずだ。

だが、なにを?

世の中の、たいていの事実は、混乱と秘匿の衣をまとっている。



ひとりの選ばれた男が、穴倉から姿をあらわす。丘の上にたつ。

はじまりの合図。

男はうなずき、自らのタマを握る。

握られたタマのあたりは赤く充血し、全身に気力がみなぎる。

大きくふりかぶって、タマを投げる。



血塗られたたたかいの始まり。

孤独な旅立ち。

あらゆる試練を乗り越えて我が家に帰り着いたものだけが、

手荒い祝福を受ける。

夜の帷がおりるころ、屍の数は54を数える。



果てしなくつづくと思われた殺戮の宴、終焉の予感が迫る。

ぼくは、ひたすらビールを飲みつづけている。

勝ち鬨が聞こえる。

静寂の雄叫びが聞こえる。

カーテンコールはいらない。



ほろ酔いのぼくは、すべてが終わったあとの、ゆるやかな傾斜を

千鳥足で、ふらふらと歩いていくだろう。

小高い墳丘には、きみの名が刻まれたプレート。

その下に埋められた棺のなかで、永遠の眠りにつくために。



世界の中心が、たったひとつだなんて、誰が決めた?




posted by かくらん堂 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界の中心にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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