当時、スーパー吉池の上にあった寄席にふらっと立ち寄る。トリの噺家は誰だったんだろう? いまとなっては思い出せるわけもない。
噺にはいると、閑散とした客席からザワザワッと。
”お、シバハマだ、シバハマだ”
このザワザワ感から、早朝の空気がキーンと冷たい芝の浜の情景へ、そしてクライマックスの告白シーン、おなじみのサゲ。
いやー、今年もこの噺が聴けたなーってことに満足して、あわただしい人ごみの中へ。
...っていうのが、典型的な 『芝浜』 の聴き方だと思ってました。
紅白の凋落とともに、かどうかは知らないが、三木助が完成させた 『芝浜』 も、単なる暮れの風物詩ではいられなくなった。
さまざまな落語家が、勝五郎と女房のやり取りを、あれこれと捏ねくりまわすようになったのは、談志の功でもあり、罪でもあろう。
談春の 『芝浜』 は、2年ぶり。
今回。
”座りションベンして馬鹿になっちゃう”ってのは、志ん生のフレーズだと思うが、談春相当のお気に入りで、ここでも使うかって感じ。
うまく噺になじませた使い方だったとは思う。
”いいよ、あたし一人でこの店を大きくするから”
女房のこのセリフは、意表をつかれた感じ。より現代的なセンスをはらんだ 『芝浜』 ができるのでは、という期待を抱かせた。
緩急、が良かったっすね。
2007/12/5
談春七夜アンコール2007「東雲」 横浜にぎわい座
立川春太 『子ほめ』
立川談春 『三方一両損』
− 仲入り −
立川談春 『芝浜』

